2026年も折り返し地点を過ぎました。1月から6月までの半年間、どんな食品や日用品が値上げされたのか、月ごとに表で振り返ります。「あれっ、最近高くなったな」と感じていた商品が、いつ・どれくらい値上がったのかを、まとめて確認できる記事です。
情報は帝国データバンクの月例レポートと、各メーカーの公式発表をもとにしています。
2026年上半期:月別の値上げ品目数
まず全体像から。帝国データバンクの「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2026年上半期の食品の値上げ品目数は以下のようになりました。
| 月 | 食品の値上げ品目数 | 主な動き |
|---|---|---|
| 2026年1月 | 少数(数十品目) | ドレッシング、油脂、自動車保険、たばこ |
| 2026年2月 | 674品目 | パックごはん、おつまみ、チョコレート、ジュース |
| 2026年3月 | 684品目 | サトウのごはん、米飯系冷凍食品、コメ系の波及 |
| 2026年4月 | 2,798品目 | 年度初めの大規模ラッシュ。マヨネーズ、ウイスキー、即席麺、調味料 |
| 2026年5月 | 61〜84品目 | 食品は小休止。電気・ガス補助終了、再エネ賦課金引き上げで光熱費が上昇 |
| 2026年6月 | 1,078品目 | カルビー、明星食品、明治プロテイン、納豆19品、香辛料 |
2025年の同じ時期は累計で1万品目を超えていましたが、2026年上半期は約5割減のペース。前年の値上げラッシュからは一服しています。ただし「値上げが終わった」のではなく、月1,000品目前後の改定が続く新しい常態に入った、と見るのが正確です。実際、4月と6月はそれぞれ大きな波がありました。
2026年1月の主な値上げ
1月の食品値上げ品目数は少数(数十品目)にとどまりました。年明けは比較的落ち着いたスタートでしたが、油脂・ドレッシング類の改定や、自動車保険・たばこなど食品以外の動きがありました。
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| 日清オイリオグループ | ドレッシング類 | 7〜12% |
| J-オイルミルズ | 油脂製品(家庭用・業務用) | 家庭用7〜10%、業務用9〜14% |
| 味の素 | 「アミノバイタル」「ノ・ミカタ」など家庭用アミノ酸含有食品 | 各品により異なる |
| 東洋水産 | 「マルちゃん 包装米飯」 | 改定 |
| 大手損保4社(損保ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ同和ほか) | 自動車保険料 | 全国平均6〜7.5% |
| BATジャパン | たばこ一部銘柄 | 20円程度 |
主な理由:原材料コスト、エネルギー費、物流費、包材費の上昇。自動車保険は修理費・部品代の上昇と人件費増。
2026年2月の主な値上げ
2月の食品値上げは674品目。料理酒やジュースなど「酒類・飲料」が最多(298品目)、次いでパックごはんやおつまみ製品の「加工食品」(283品目)、チョコレート菓子やシリアル製品の「菓子」(57品目)と続きました。
| 分野 | 主な対象商品 | 品目数 |
|---|---|---|
| 酒類・飲料 | 料理酒、ジュースなど | 298品目 |
| 加工食品 | パックごはん、おつまみ製品 | 283品目 |
| 菓子 | チョコレート菓子、シリアル製品 | 57品目 |
1月から2か月連続で前年同月を下回り、値上げの勢いはひとまず弱まりました。平均値上げ率は16%。
2026年3月の主な値上げ
3月の食品値上げは684品目。最大の話題は「サトウのごはん」の値上げで、令和7年産うるち米の高騰を受け、サトウ食品が3月2日出荷分から価格改定を実施しました。同社の切り餅・まる餅も同時改定。米飯系の冷凍食品も最大34%という大幅な値上げになりました。「コメは国産だから安心」と思っていた家庭にとっては、転機となる月でした。
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 | 実施日 |
|---|---|---|---|
| サトウ食品 | 「サトウのごはん」 | (2025年6月・10月に続く3回目の改定) | 3月2日出荷分 |
| サトウ食品 | 切り餅・まる餅 | 最大16% | 3月 |
| ニッスイ | 家庭用冷凍食品37品、家庭用加工食品68品(計105品) | 冷凍2〜34%、加工3〜10%(米飯系冷凍が最大幅) | 3月 |
| 分野別 | 「加工食品」304品目(切り餅・米飯系冷凍・パスタ調理品) | — | — |
| 分野別 | 「酒類・飲料」224品目(果汁飲料、緑茶PET飲料) | — | — |
| 分野別 | 「調味料」72品目(ドレッシング類中心) | — | — |
主な理由:コメ価格高騰(原材料)、資材費・物流費・人件費の上昇。
2026年4月の主な値上げ
4月は2,798品目と、上半期で最大の値上げラッシュ。年度の切り替えに合わせて、家計に直結する商品が一斉に改定されました。とくにマヨネーズ・ウイスキー・即席麺の三つの動きは、上半期の象徴的な出来事です。
調味料(4月分野別最多:1,514品目)
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| 味の素 | 家庭用・業務用マヨネーズなど計21品(「ピュアセレクトマヨネーズ」「コクうま65%」など) | 6〜10% |
| ケンコーマヨネーズ | マヨネーズ等 | — |
| キユーピー | 家庭用商品 | — |
| ハウス食品 | 家庭用製品(グラタン、おでんの素) | 13〜17% |
| キッコーマン食品 | 商品の価格改定(豆乳など) | — |
即席麺・加工食品
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| 日清食品 | 袋麺・カップ麺・カップスープ約170品 | 5〜11%(一部は内容量を7〜17%削減する「実質値上げ」も) |
| 日清製粉ウェルナ | 家庭用乾麺・冷凍食品 | — |
酒類(4月分野別:369品目)
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| サントリーホールディングス | ウイスキー・焼酎・輸入ワインなど39ブランド187品 | 2〜20%(「響 700ml」は税抜7,500円→8,000円。「響」「山崎」「白州」は再値上げ) |
| 雲海酒造 | 本格焼酎 | — |
菓子・乳製品
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| 森永製菓 | ポテロング・パックンチョ・おっとっとなど7品 | 6〜40%(一部は内容量も変更) |
| 森永乳業 | クラフト小さなチーズケーキ、マウントレーニアなど6品 | 4.8〜15.8% |
| ハーゲンダッツ ジャパン | ミニカップ、クリスピーサンド、バー(325円→345円)など | 約6% |
| ネスレ日本 | キットカット カカオ72% 10枚など菓子製品 | 内容量変更含む |
| ヤクルト本社 | アップルジュース(140→150円)、珈琲たいむ(130→140円)、マイルドカフェオレ(120→130円)など | 10円程度 |
飲料
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| 伊藤園 | 緑茶製品および野菜・果実飲料 | — |
| コカ・コーラ ボトラーズジャパン | 緑茶製品 | — |
| キーコーヒー | 家庭用コーヒー製品 | — |
その他
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| ピジョン | ベビー関連商品、赤ちゃんのやわらかパックごはん、ソフトふりかけシリーズなど | — |
| 軽油 | 軽油引取税の暫定税率(17.1円/L)廃止 | 事業者向けに減税効果 |
主な理由:原材料高(鶏卵、コメ、小麦、カカオ豆など)、物流費、人件費、包装資材費。日清食品の即席麺は内容量も同時に減らす「実質値上げ」が目立ちました。
2026年5月の主な値上げ
5月は食品の値上げ品目数が61〜84品目と急減し、4月の50分の1の小休止月でした。しかし家計への影響では、電気・ガス料金の補助終了と再エネ賦課金の引き上げが同時に効いてきた月で、すべての家庭にとって実質的な負担増となりました。
食品
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| 江崎グリコ | 一部商品(飲料類など) | 最大43%(飲料類) |
| エースコック | はるさめ・米めん(ノンフライ商品) | 8〜10% |
光熱費(家庭への影響が大きい)
| 項目 | 内容 | 家庭への影響 |
|---|---|---|
| 電気・ガス補助の終了 | 3月使用分(4月請求分)で補助終了。5月請求分から補助なし | 標準家庭で月1,500〜2,000円程度の負担増 |
| 再エネ賦課金の引き上げ | 1kWhあたり3.98円 → 4.18円(2026年5月検針分〜) | 月300kWh使用で約60円増(年間約720円) |
日用品
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| 日本サニパック | ポリエチレン製品(ごみ袋・食品保存袋など) | 30%以上(5月21日着荷分から) |
| YKK AP、LIXIL | 住宅建材製品 | —(5月1日受注分から) |
主な理由:原油高・ナフサ高(ポリエチレンの原料)、中東情勢悪化による海上輸送リスク。とくに日本サニパックの30%超の値上げは、中東情勢の影響がついに日用品にまで広がったことを示す象徴的な動きでした。
2026年6月の主な値上げ
6月は1,078品目と、5月の小休止から一気にラッシュへ。即席麺・スナック菓子・プロテイン・調味料・納豆など、生活に密着した商品が一斉に値上がりした月です。
菓子・スナック
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| カルビー | ポテトチップス14品(うすしお味、コンソメパンチ、のりしお、ピザポテトなど)、Jagabee 3品 | ポテトチップス5〜10%、Jagabee 約30% |
| アサヒグループ食品 | 菓子・ベビー関連・サプリメント・健康食品(ミンティアなど) | 3〜27%(ミンティアは118円→140円、約19%) |
即席麺
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| 明星食品(日清食品グループ) | 即席袋めん・カップめん・カップスープ約80品 | 希望小売価格で6〜10%(オープン価格商品は出荷価格で9〜12%) |
※即席麺大手5社の対応時期は分かれており、日清食品は4月実施済み、明星食品が6月、東洋水産・サンヨー食品・エースコックは7月。半年かけて全社が値上げを実施します。
プロテイン・健康食品
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| 明治 | スポーツ栄養(粉末プロテイン17品、プロテインバー4品)計21品 | 6〜28% |
たんぱく原料価格の急激な高騰と物流コスト上昇が要因。健康志向の高まりで需要が伸びる一方、原料高の影響を強く受けるカテゴリです。
調味料・スパイス
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| 味の素 | スナックスープ容器品種10品種、「Rumic」2品種(計12品) | 15〜17% |
| キユーピー | 家庭用調味料7品 | — |
| ハウスギャバン | スパイス・加工食品407品(カレー粉、ガーリック、パプリカなど) | 非公開 |
納豆・加工食品
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| ミツカン | 納豆19品(「金のつぶ」「くめ納豆」「なっとういち」など) | 6〜20% |
| タカノフーズ | 「おかめ納豆」全商品 | 15% |
食用油
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| 日清オイリオグループ | 家庭用食用油(「日清キャノーラ油」など) | 11〜15% |
不二家
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| 不二家 | 飲料2品 | —(糖類・果実原料の高騰) |
その他
| メーカー | 対象商品 | 値上げ幅 |
|---|---|---|
| ミシュラン | タイヤ | — |
上半期に変化した「値上げの理由」
上半期で目立った構造変化があります。値上げの理由を見ると、これまでの主因だった「円安」がほぼ消え、代わって「包装・資材」(ナフサ由来)が急浮上しました。
| 値上げの理由 | 2026年上半期の割合 | 備考 |
|---|---|---|
| 原材料高 | 99.9% | 4年連続で9割超え、依然として最大要因 |
| 包装・資材 | 73.7%(6月時点) | 過去最高水準。ナフサ高が直撃 |
| 人件費 | 66.0%(2月時点最高) | 賃上げ・最低賃金引き上げの転嫁。過去最高 |
| 物流費 | 61.8% | 2024年問題(ドライバー労働規制)の影響 |
| エネルギー | 45.6〜60.0% | 月により変動 |
| 円安 | 1.6% | 過去最低水準 |
注目すべきは、包装・資材費が新たな主因として浮上したこと。米国とイスラエルによるイランへの攻撃でホルムズ海峡が混乱し、ナフサ(プラスチック原料)の供給が不安定化した結果です。6月時点で「中東情勢」を直接の理由とする値上げが全体の22.7%を占めるまでになりました。食品の包装フィルムやトレー、紙製品(エリエール)、ごみ袋(日本サニパック)、自動車のタイヤ(ミシュラン)と、影響は食品の枠を越えて広がっています。
もう一つの注目点は、円安要因が1.6%まで急減したこと。2025年までは値上げの主因の一つでしたが、企業努力で吸収できる範囲に収まったか、あるいは一服した状態にあります。ただし、6月時点で1ドル160円に迫る円安水準が長期化すれば、再び主因に戻る可能性も指摘されています。
上半期の振り返り:5つの重要トピック
個別の商品リストを離れて、上半期全体を象徴する5つの動きをまとめます。
1. コメ価格高騰の波及(3月)
令和7年産うるち米の高騰により、サトウ食品の「サトウのごはん」、ニッスイの米飯系冷凍食品(最大34%)など、コメを原料とする加工食品が広く影響を受けました。国産コメ製品が継続的に値上げされる時代になりました。
2. マヨネーズ一斉値上げ(4月)
味の素を筆頭に、ケンコーマヨネーズ、キユーピーなど主要メーカーが4月に一斉改定。鶏卵価格の上昇と物流費が直撃。家庭の基礎調味料が同月に揃って値上がりした、上半期の象徴的な動きです。
3. ウイスキー・本格焼酎の値上げ(4月)
サントリーが39ブランド187品を最大20%値上げ。「響 700ml」は7,500円→8,000円に。「響」「山崎」「白州」は2024年4月に続く再値上げで、酒類カテゴリでは値上げが常態化しています。
4. 電気・ガス補助終了と再エネ賦課金引き上げ(4〜5月)
政府補助が3月使用分で終了し、5月請求分から実質負担増。同時に再エネ賦課金が3.98円/kWh→4.18円/kWhに引き上げ。すべての家庭が影響を受けるダブルパンチでした。なお、補助は7〜9月分で再開されます。
5. ナフサ高による包装・資材の値上げ(5〜6月)
中東情勢の悪化により、プラスチック原料のナフサが急騰。日本サニパックのごみ袋30%超、エリエールの紙製品15%以上(8月実施)など、食品以外の生活必需品にも影響が広がりました。これが2026年下半期の値上げラッシュ再燃の引き金とみられています。
下半期の見通し:値上げラッシュ再燃の可能性
上半期は前年比5割減ペースで小康状態でしたが、下半期は再び値上げラッシュが起きる可能性が高まっています。帝国データバンクは「中東情勢の悪化により、夏以降に広範囲な値上げラッシュが続くとみられる」と分析しています。
実際、7月の値上げ品目数は2,269品目と、4月以来3か月ぶりに2,000品目を超えました。さらに、8月にはエリエール全紙製品の15%以上値上げ、9月にはキッコーマンの醤油・つゆ類291品(2〜22%)、10月には酒税改正と、家計に効く改定が続きます。
2026年通年の値上げ品目数は、6月初旬の速報で1万1,157品目に達し、5年連続の年間1万品目突破が確定。前年実績(2万609品目)を超える可能性も指摘されています。
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本記事について:この記事は2026年6月時点で公表されている情報をもとに、2026年上半期(1〜6月)の値上げをまとめた特別編です。月次記事を後追いで個別に作成する代わりに、上半期分を1本にまとめています。最新の全体動向は2026年の値上げまとめをご覧ください。
主な出典:帝国データバンク「食品主要195社 価格改定動向調査」(2025年12月〜2026年6月各号)、各社公式発表、日本経済新聞、総務省 消費者物価指数(CPI)、経済産業省 資源エネルギー庁ほか。各数値は発表時点のものです。値上げ幅は出典時点の最大値で、実際の店頭価格は地域・店舗・容量により異なります。

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