2026年も値上げが止まりません。食品だけで年2万品目を超え、1万品目超えはこれで5年連続です。しかも上がっているのは食品だけではありません。光熱費も、交通費も、サブスクも、同時に家計に効いてきます。
このページでは、2026年の値上げの全体像がひと目で分かるように整理しています。各月の詳しい一覧は月次記事に、値上げの背景や家計の守り方は家計の基礎知識にまとめています。この記事は、2026年10月1日時点の情報にもとづいています。
2026年の値上げは、いまどれくらい?
10月1日の時点で、2万187品目(12月までに判明している分)。年間1万品目超えは5年連続で、2万品目を超えるのは2年連続です。
7月初めの時点では「2025年並みの2万品目前後」という見通しでしたが、夏以降の波が想定より大きく、2万187品目まで積み上がりました。2025年の年間実績(2万609品目)にはわずかに届いていませんが、帝国データバンクは、前の年とほぼ同じ水準で推移するとみています。
今年いちばんの山は、9月でした
月ごとの品目数を並べると、山がはっきり見えます。
- 7月 … 2,664品目
- 8月 … 2,311品目
- 9月 … 4,965品目(今年最多)
- 10月 … 3,153品目
- 11月 … 1,469品目
- 12月 … 132品目
9月の4,965品目は、前の年の同じ月の約3.4倍です。単月で4,000品目を超えたのは1年5か月ぶりで、集計を始めてから4番目に多い月になりました。値上げ1回あたりの平均は11%です。
9月に何が上がったかというと、調味料が1,959品目でいちばん多く、次いで加工食品1,848品目。しょうゆ、つゆ、みりんといった、どの家にもあるものが並びました。
10月は3,153品目で、9月の6割ちょっと。それでも4か月続けて月2,000品目を超えており、これは2022年以来4年ぶりのことです。2か月続けて3,000品目を超えたのは、3年3か月ぶりでした。11月は1,469品目まで減り、12月は132品目(いずれも今わかっている分)。山は越えました。波が止まったわけではありませんが、勢いは落ちてきています。
なお、11月は8月末の時点では659品目でしたが、9月末の集計で1,469品目に増えました。品目数は、あとから発表が追加されて増えていきます。11月、12月の数字も、これから増える可能性があります。
値上げの理由が、材料以外にも広がっています
理由を集計すると、こうなります。メーカーが複数の理由を挙げるので、合計は100%を超えます。
- 原材料高 … 91.3%
- 物流費 … 66.0%
- エネルギー … 63.8%
- 包装・資材 … 63.7%
- 人件費 … 51.1%
- 中東情勢 … 27.8%
- 円安 … 8.1%
注目したいのは、原材料高の割合が、4月以降は下がってきていることです。かわりに、エネルギーや円安など、材料以外のコストを理由にする割合は、高い水準が続いています。値上げの理由が、「材料」だけでなく、「電気」「運ぶ」「包む」へ広がっているということです。
工場を動かす電気代が上がれば、その分は製品の値段に乗ります。家庭の光熱費が上がるのと、食品が上がるのは同じ根っこでつながっています。
背景にあるのは中東情勢です。ホルムズ海峡の混乱でプラスチックの原料(ナフサ)の供給が不安定になり、食品の包装フィルム、ティッシュ、ごみ袋まで影響が広がっています。
2026年に動いているカテゴリ
食品
加工食品・調味料・パンが中心です。年間では加工食品が6,961品目に達し、2025年の実績(4,791品目)を4割以上上回りました。9月にはキッコーマンがしょうゆ・つゆ類291品を2〜22%値上げしています。11月には、キユーピーがマヨネーズやドレッシングなど家庭用224品を、約3〜25%値上げします。
飲料・お酒
10月1日にお酒の税金が一本化されました。ビールは350mlあたり9.1円下がり、発泡酒と第三のビールは7.26円上がります。節約のために第三のビールを選んでいた人ほど負担が増えます。11月1日には、サントリーとアサヒ飲料が、伊右衛門、クラフトボス、三ツ矢サイダー、カルピスなど合わせて282品の飲料を値上げします(伊藤園、UCCも同日)。
外食
主要チェーンは1〜5月に一斉改定を済ませました。ラーメンは「1000円の壁」を越えています。
日用品
ナフサ高が直撃しています。ユニ・チャームが5%前後、エリエールの全紙製品が15%以上。ティッシュもごみ袋も、包みの材料が上がっているためです。10月にはライオンが歯みがき・洗剤など159品を4〜25%値上げしました。クリニカ、システマ、NANOX、トップなど、毎日使うものが対象です。11月2日には、ピジョンが哺乳びんやおしゃぶりなど、ベビー用品と介護用品の一部で289品目を2〜36%値上げします。
光熱費
国の電気・ガス補助は9月使用分が最後でした。ここで大事なのが、電気代は使った月の翌月に請求されることです。9月使用分の請求(10月に届く分)にはまだ値引きが乗っていて、値引きのない最初の請求書は11月に届きます。
9月29日に発表された10月使用分の料金は、大手電力10社と都市ガス大手4社のすべてで、前の月より上がります。標準的な家庭の電気代は835〜1,578円の値上がりで、東京電力は9,561円です。さらに11月1日には、送電線の利用料(託送料金)が引き上げられ、電気料金にも反映されます。
冬の補助については、10月1日の時点で、政府の発表はありません。9月30日の経済財政諮問会議では、電気・ガス代の支援のような一時的な対策を見直すべきだという提言も出ています。
たばこ・宅配便・レジャー
10月には加熱式たばこが全31銘柄で40円、日本郵便のゆうパックが平均約10%、東京ディズニーリゾートの1デーパスポートが大人12,400円まで上がりました。
税制
食料品の消費税を2027年4月から2年間、8%から1%へ引き下げる方針が示されています。ただしまだ方針の段階で、実施は来年4月からです。今の家計をすぐ助けてくれるものではありません。
この先どうなるか
年間では2年連続で2万品目を超えることになりました。11月が1,469品目まで落ちたことで、9月を頂点とした山は越えました。
ただし、すぐに収まるとは見られていません。帝国データバンクは、2027年にかけても断続的な値上げが続くと予想しています。上振れの要因として指摘されているのは、中東情勢によるナフサ高、1ドル150円を超える円安の長期化、そして豪雨や干ばつによる農産物・水産物・畜産物の供給不安です。
家計の側でいちばん気にしておきたいのは、11月の請求書だと思います。光熱費の値引きが消えるのと、暖房を使い始める時期が重なります。さらに、冬の補助が決まっていないことも気がかりです。
各月の詳細
- 2026年上半期の値上げ一覧|1〜6月に何がいくら上がった?
- 2026年7月の値上げ一覧|パン・カップ麺・調味料など
- 2026年8月の値上げ一覧|ハム・ツナ缶・冷凍食品など2311品目
- 2026年9月の値上げ一覧|しょうゆ・コーラ・冷凍食品など
- 2026年10月の値上げ一覧|ビールは値下げ、たばこ・宅配便など
- 2026年11月の値上げ一覧|マヨネーズ・缶コーヒー・カロリーメイトなど
もっと詳しく:テーマ別の記事
- 2026年10月の酒税改正まとめ|ビールは値下げ、発泡酒・新ジャンルは値上げ
- パソコン・スマホが値上がりしている理由と2026年の価格見通し
- ラーメン1杯の値段はいくらになった?「1000円の壁」崩壊
- 物価はどれくらい上がった?最新データ
主な出典:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年9月30日発表)/各社発表/大手電力10社・都市ガス大手4社の料金発表(2026年9月29日)/経済財政諮問会議(2026年9月30日)/経済産業省 資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」。品目数は発表時点のもので、今後増える見込みです。


コメント