2026年8月は、食べものと飲みもの2311品目が値上がりします。去年の8月より8割多く、ひと月の数としては過去2番目です。
上がるのは、ハム、ツナ缶、カップめん、小麦粉、ティッシュ。どれも毎週かごに入れるものばかりです。
いっぽうで、8月は電気代とガス代の補助がいちばん厚くなる月でもあります。食費は上がるけれど、光熱費は下がる。そういう月です。
この記事では、①何が上がるのか ②いくら上がるのか ③8月にやっておくといいこと、の順にまとめます。
8月に値上げする主なもの
名前を見ればすぐ分かるものから並べます。
ハム・ソーセージ
今月、上がり方がいちばん大きいのがここです。
- シャウエッセン、ロースハムなど(日本ハム)… 約220品目が一度に。上がり方は約5〜46%で、商品によってかなり違います
- ハム・ソーセージ各種(プリマハム)
大手2社が同じ月に上げます。つまり今月は、「別のメーカーに変えれば安く済む」という逃げ道がありません。
お弁当のおかずを一から考え直すのは大変です。特売の日にまとめて買って冷凍しておくほうが、たぶん現実的です。
牛乳・ヨーグルト・コーヒー
- 牛乳・ヨーグルト・飲みもの・デザート 計47品(森永乳業)… 上がり方は2.4〜17.6%
- ビヒダス プレーンヨーグルト(森永乳業)… 毎日食べる人が多い分、じわじわ効きます
- マウントレーニア カフェラッテ(森永乳業)… 20円上がって210円(税抜)に
- リプトン ジャスミンミルクティー(森永乳業)… 200円(税抜)に
- ネスカフェ ゴールドブレンド、アイスブレンド(ネスレ日本)
牛乳は13品が対象です。牛乳は「買わない」という選び方がしにくいので、今月いちばん静かに効いてくる値上げだと思います。
アイスコーヒーがいちばん減る時期にコーヒーが上がるのも、なかなかのタイミングです。
缶詰・即席めん
節約の味方だったものが、そろって上がります。
- シーチキン、さばの味噌煮、いわしの煮付け、かつお節など(はごろもフーズ)… 家庭用114品、業務用46品。8月1日出荷分から
- 辛ラーメン(農心ジャパン)… カップめん・袋めんの両方で5〜12%
- 即席めん・カップスープ・乾めん・皿うどん(ヒガシマル)
- ペヤング(まるか食品)… 約8〜11%
シーチキンは、サラダにもおにぎりにも使えて、しかも日持ちします。今月いちばん困る値上げかもしれません。
ペヤングは、少し注意が必要です。 発表された対象に、いつもの「ペヤングソースやきそば」(通常サイズ)は入っていません。対象は「塩やきそば」「ソースやきそば超大盛」「超超超大盛GIGAMAX」などです。
ニュースでは「ペヤングが値上げ」とまとめて書かれがちなので、お店で確かめてみてください。
小麦粉・パスタ・ホットケーキミックス
- 日清フラワーなどの家庭用小麦粉(日清製粉ウェルナ)… 家庭用だけで212品目
- マ・マーのパスタ、パスタソース(日清製粉ウェルナ)
- 小麦粉・パスタ・乾めん(ニップン)
- ホットケーキミックス(昭和産業)… 夏休みで出番が増える時期と重なりました
粉が上がると、少し遅れてパンやお菓子、お惣菜にも順番に効いてきます。8月で終わる話ではない、というのがこのグループのこわいところです。
冷凍食品・ティッシュ
- 本格炒め炒飯などの冷凍食品(ニチレイフーズ)
- エリエール(大王製紙)… 家庭用・業務用の紙製品を全品15%以上
冷凍食品は、忙しい日の逃げ道です。「自炊に戻して節約」がいちばんやりにくいところが上がります。
そしてティッシュとトイレットペーパーの15%以上が、今月いちばん大きい数字です。 食べものではないのに家計に効きますし、使う量を減らすわけにもいきません。今月の値上げを一つで表すなら、これだと思います。
そして、真夏に鏡餅
- 鏡餅シリーズ16品目(サトウ食品)
まだお盆も来ていないのに、お正月のお餅が値上げです。年末の出費が、8月の時点でもう決まってしまったということでもあります。
8月は、いくら上がる?
上がり方は、**平均するとおよそ15%**です。
ぴんと来にくい数字なので、身近な例に置きかえます。週に1回買っている1袋300円のハムなら、345円。1回45円の差でも、月に4回買えば180円です。
これがハムだけでなく、ヨーグルトにも、ツナ缶にも、小麦粉にも、ティッシュにも同時に起きます。「そんなに買っていないのにレシートが伸びる」のは、そのためです。
全体の数はこうなっています。
- 2026年8月… 2311品目(去年の8月は1262品目 → 8割増)
- いちばん多いのは加工食品(ハム・ソーセージ、カップめん、缶詰、鏡餅など)で1419品目。去年の8月は188品目だったので、約7倍
- 次に調味料(だしなど)が589品目
- 続いて原材料(小麦粉、砂糖、ごま製品など)が276品目
今月の値上げが「毎週買うもの」に集中して感じられるのは、気のせいではありません。実際にそこが増えています。
なぜ、こんなに上がるの?
いちばん大きい理由は、中東の情勢が不安定になって、石油の値段が上がったことです。
ここで少し意外なのですが、石油はガソリンだけのものではありません。
お肉やお惣菜が乗っている白いトレー。かぶせてあるラップ。ティッシュの箱。 こうした「包むもの」の材料も、もとをたどれば石油です。
つまり今月の値上げは、中身より先に、包みのほうが高くなったものが多く含まれています。ハムやツナ缶やティッシュがそろって上がったのは、そういう理由です。
円安も重なっています。1ドルは7月下旬に163円台まで進み、8月に入って157円前後に戻りました。それでも、輸入する材料の値段を押し上げる水準が続いています。
本当の山は、9月です
8月も多いのですが、もっと多いのが9月です。
- 9月… 4531品目(今年いちばん多い。8月の約2倍)
- 10月… 2720品目
- 2026年の合計… 11月までに分かっているだけで1万8347品目(去年は2万609品目)
8月は、9月に向けた準備の月だと考えたほうがよさそうです。
いっぽうで、光熱費は少し安くなります
暗い話ばかりではありません。8月は、電気代とガス代への国の補助がいちばん厚くなる月です。
- 電気… 8月使用分は1kWhあたり4.5円の値引き(7月と9月は3.5円)
- 都市ガス… 8月使用分は1㎥あたり18.0円の値引き(7月と9月は14.0円)
ひと月に260kWh使う家庭なら、8月分は約1170円の値引きになります。7月と9月は約910円なので、260円ほど多い計算です。
実際に、大手電力10社のうち8社が、8月使用分の料金を前の月より下げています。下げ幅は96〜260円です。都市ガス大手4社も全社が値下がりで、東京ガスは59円下がって5437円になりました。
手続きは要りません。 契約している会社が対象なら、請求書に値引きとして自動で反映されます。
食費は上がるけれど、光熱費はいくらか抑えられる。8月はそういう月です。
8月にやっておくといいこと
全部を切り詰めようとすると続きません。今月は、この3つに絞るのがよさそうです。
1. 日持ちするものを、少しだけ多めに
9月に4531品目の波が来ます。缶詰、乾めん、小麦粉、ティッシュなど、置いておいても傷まないものは、今の値段で少し確保しておくと効きます。
ただし、使い切れる量までにしておいてください。買いだめしすぎて使わないまま置いておくのは、いちばんもったいない使い方です。
2. ハムは、特売の日に寄せる
今月は大手2社が同時に上げるので、メーカーを変えても逃げられません。こういうときは、買う日をずらすほうが効きます。 特売の日にまとめて買って、小分けにして冷凍しておく形です。
3. 光熱費が下がっている今月のうちに、9月の準備を
8月は補助が厚いぶん、光熱費に少し余裕が出ます。その余裕を、9月の食費に回しておく。数字の上ではそれだけのことですが、来月の効き方がだいぶ変わります。
主な出典:帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日発表)/日本ハム、プリマハム、森永乳業、ネスレ日本、はごろもフーズ、農心ジャパン、ヒガシマル、まるか食品、日清製粉ウェルナ、ニップン、昭和産業、ニチレイフーズ、大王製紙、サトウ食品の各社発表/経済産業省 資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」。数値は発表時点のものです。


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